資産税の小部屋

2012年10月30日 火曜日

遺言執行人ているの~後半~

先週の続きで、今週火曜日も遺言書に相続人だけでなく、相続人でない人が含ま
れていた場合を、税理士の白石がお話します。

例えば、相続人である自分の子供以外に、遠方にいる甥に財産を遺贈する遺言
書があったとします。もし、相続人の一人がこの遺言書を無視して、甥が取得する
はずの財産を第三者に譲渡してしまったらどうなってしまうのでしょうか?

このケースでは遺言執行人がいる場合といない場合とで大きく異なります。

遺言執行人がいない場合は、第三者に渡ってしまった不動産の所有権を回復す
るのは相当難しいといえます。なぜらな、相続と違い、遺贈の場合は登記をもって
始めて第三者に対抗できるからです。(相続させる遺言の場合は、登記なくして
第三者に対抗できます)

では、遺言執行人がいた場合はどうでしょうか?この場合、この相続人の行為
は無効となります。(先週と同じです)執行人がいる場合は、甥である受遺者は、
登記なくして取得する不動産の所有権を第三者に対抗できます。今回の相続
人の行為は、民法1013条の遺言執行の妨害行為に該当するためです。

先週と今週にわたり、遺言執行人の大切さをお話ししましたが、執行人が必要
な最もポピュラーな理由は預貯金、有価証券等の名義変更の便利さでしょう。
ただ、それ以外に遺言執行人のいる場合の大切さをお伝えしたったのですが、
少しはご参考になったでしょうか?

ではまた来週火曜日に・・・